経営の風を読む 『風は西から♪』

中小企業経営は理論と実践!あとは少しの運を味方につけるだけ!

静かな国作り

出張であちこちの地方都市に行くが、どこに行っても生活するのに最低限の産業しか存在していないように見える。


農業があり、漁業があり、各種サービス業があり、あとは工場があるくらいである。


東京や大阪などの大都市圏でも、地域毎に見れば、さほど地方都市と大きな違いはないようにも見える。


ただ、大都市圏には、芸能や文化・芸術関係とか広告やメディアの関係、IT関係の企業など地方都市にはあまりない産業があり、他にもわれわれが知らないけれども実力のある企業とかが多数集積しており、その分巨大な経済圏になっていることが相違点かも知れない。


それでは、30年前には存在していなかった携帯電話事業(通信事業)やIT産業、ゲーム関係の産業が大きく成長してきたが、どれくらい日本のGDPに寄与しているのだろうか?


現在、ほぼすべての国民がスマホを使うようになり、通信速度が高速になって莫大なデータが送受信できるようになったが、情報量が増えたことで、日本経済がどれくらい成長し景気が良くなったのだろうか?


昔に比べ、確かに便利で効率的になった部分はあるかも知れないが、実際に人がやる仕事の中身というのは、実は昔からあまり変わっていないのではないか?


実は、日本だけでなく他の国々でも、これ以上ドラスティックに生活内容や仕事内容に変化を与えることはできず、先進国の経済成長は根本的に限界がきているのではないか?という気がする。


結局、ほとんどの国民がごくごく普通の仕事に就いて、普通に稼いで、普通に生活しているだけで、実は30年前から仕事や生活そのものは、何も変わっていないのではないか?


ほとんどの国民が昔から従事してきた農業や漁業、林業などの第一次産業や、一般のサービス産業を保護することが、より多くの国民の生活をもっと守り、国の存続に大きく貢献することにつながると思う。


外国資本の半導体工場に、農業や漁業を捨てさせてまで日本の安い?労働力を提供することは、発展途上国の政策と何も変わらないし、何の国益にもならない。


昔、ある官僚の人から、日本はフィンランドやスウェーデンなどの北欧の国のように、人口もさほど増やさず経済も大きな成長を目指さないけれども、治安が良く教育レベルが高く安定した静かな国作りを目指す方向性も選択肢としてあると聞いたことがある。


現在そのような方向性は全く取られていないが、グローバル化よりは、余程健全な考え方のような気がする。


西麻布で美味しいお寿司が食べられるのは、国を支えてくれる名も無い人たちがいるおかげなのである。


   皆様の会社が儲かりますように!

   

     北野天満宮 (京都市)

    

      おにがわら すねお