経営の風を読む 『風は西から♪』

中小企業経営は理論と実践!あとは少しの運を味方につけるだけ!

『経営は値決め』

これは、京セラの元会長故稲盛和夫氏の言葉だか、ここ数年、企業やお店は値上げできるかどうかの判断が非常に難しい状況に置かれている。


ラーメン屋も1000円から1100円に値上げしても、お客が来てくれるような店作りをしないといけない!といとも簡単そうに言っている税理士がいたが、無責任な印象しか受けなかった。


企業にしても、値上げを認めてくれる顧客とそうでない顧客とに必ず分かれるし、たとえ認めてくれたとしても、1年後も取引が続いているとも限らない。


仮に、公共工事を主体としている建設会社であれば、入札になるので、自分たちが欲しい利益をしっかり乗っけた価格で札を入れていたら、いつまで経っても落札することはできない。


また、発注者から相見積もりを取られる状況であれば、尚更値上げは難しく、競争相手みんなと談合しない限り値上げは不可能である。


その置かれた状況や業種によって、値上げができるかどうかは変わってくるが、中小企業や下請けは立場的にも難しい現実がある。


そして、価格にも転嫁できず、コスト増加分で減少した利益の穴を埋めるために、自分の給与を減らしてでも耐えている経営者は少なくないはずである。


現在のように物が売れない時に、「値上げしても以前と変わらず儲けています!」という会社がそんなにあるとは思えない。


高度成長期のように物が売れている時代なら、その原価をしっかり管理し適切な値決めが出来れば、しっかり利益を出すことができたかもしれないが、今は本当に難しいと思う。


今の中小企業は生き残ることが先決で、儲けて借金を返済するのは、後回しになるのは当然のことである。


現在、多くの企業や個人が必死にもがいている中、このタイミングで経団連が消費税増税の話をすること自体が信じられない。


稲盛氏が経団連に入っていたら、日本ももう少し変わっていたかも知れない。


今の日本には、利他の心を持ったリーダーが必要である。


   皆様の会社が儲かりますように!

     北野天満宮 (京都市)


      おにがわら すねお