経営の風を読む 『風は西から♪』

中小企業経営は理論と実践!あとは少しの運を味方につけるだけ!

人事評価制度の沼②

先週、労務人事コンサルタントと人事評価制度についてのミーティングがあり、自分はより適切な人材の評価方法について話が聞けるのかと思ってテーブルについたのだが、結局賃金テーブルを見直しましょうとか手当を減らしましょうとかという話に終始した。


このコンサルたちが賃金テーブルを変えて何が解決されると考えているのかさっぱりわからない。


おそらくコンサルにとっては、おかしな箇所を指摘して、なんでもいいので何かを変更することが彼らの目的になっており、何か社員に対する考え方や理念をシステムに組み込もうという発想などはまったく見られない。 


賃金テーブルを変えたところで、一度説明を聞いたら次の日にはほとんどの社員が忘れている。 課長になったらいくらもらえるとか部長になったらいくらもらえるかをきちんと示すことが大事とコンサルたちは言っていたが、そんなこと考えて仕事する奴なんていないと答えたら、気色ばんで反論してきた。 


それなら、完璧な賃金体系や人事評価制度を作って見せていただけますか?と聞いたら、完全なものはないが、社員に説明できる根拠は必要だと答えてきた。 こちらがそれなら現状でも十分だと答えると、彼らは改善した方が社員のためになると言ってくる。


本当にどのコンサルが来ても、毎回無駄な会話の連続で得られるものが何もないというのが正直な感想である。


人事部の社員が賃金体系のような正解がないものを手間暇かけて作ることこそ時間と金の無駄といつも言っているが、社内外でなかなか賛同は得られない。


自分が社員について知りたいことは以下の通りである。


1.現状で何ができるのか?得意なのか?


2.どんな仕事を経験してきたか?


3.どんな業務に向いているのか?


4.信用できる人間か? 口先だけで誤魔化してくる人間か?


5.今、長いスパンの成長期の中のどのフェーズにいるのか? 

  今、成長期なのか?停滞期なのか? 


6.どんなポテンシャルをもっているのか?        

(将来性があるか?)


7.性格はどうか?(責任感があり or なし、誠実 or 不誠実、協調的 or排他的・ 独善的、楽観的 or 悲観的 etc)


8.仕事の動機付けは何か?(お金、信頼関係、義理、自己実現、承認欲求、競争 etc)


むしろ、聞きたいのはこうしたことを同じ基準の下に全社的に的確に把握するためのツールのことである。


現在のところ、自分と近い考え方の部下を下につけて、さらにその下の部下を評価してもらう形で評価を行っている。 さらに、自分で末端の社員の仕事ぶりを直接見たり、会話をして自分なりの感覚をつかむようにしている。(かなりアナログではあるが…)


なので、一人の社員を評価するのに最低3年はかかると考えている。 しかもその間に社員も成長したり、やる気がなくなったりと色々状況が変わるので、ある程度までしか評価を固定しない。


自分もそうだったが、人それぞれに成長する時期があり、コンサルが考えるようになだらかな右肩上がりで成長する人間なんていない。 その一部分だけ切り取って判断できるほどわれわれは優秀ではないので、少しでも社員のことを理解する努力を管理職はしなくてはならない。


部下の本当の内面を見るためには日ごろから信頼関係を作り上げていく方法以外ない。 その信頼関係を作るためには、日ごろの仕事でお互い助けたり助けられたりすることで生まれてくる。 実は日々、上司も試されているのであり、部下も上司を評価していることを忘れてはならない。


♪I got a long way to go  


まだまだやることがたくさんある


♪And a long memory   


そしてたくさんのことをやってきた


♪I've been searching for an answer  


ずっと答えを探してきた


♪Always just out of reach   


でも、いつも見つからなかったんだ


 Battle Symphony,  Linkin Park 


   皆様の会社が儲かりますように!

      高千穂峡 (宮崎県)

      おにがわら すねお