経営の風を読む 『風は西から♪』

中小企業経営は理論と実践!あとは少しの運を味方につけるだけ!

星野佳路の「学問のすゝめ」

儲かっていると現金は増え、赤字になると現金は減っていく。


現金残高は損益計算書上の利益よりも経営の結果をより正直に映し出してくれる。


では、儲けるということはどういうことか?


「安く仕入れて、高く売る」ことである。


これは、生命保険会社であれ、自動車メーカーであれ、建設会社であれ、飲食店であれ、企業の規模や業種に関係なくすべて同じ原理である。


自分の得意なビジネスで、売上を増やす方法と原価を抑える方法を考え、上手に全体の仕組みを作ることができた人が成功することになる。


中には直感ですべて上手くできてしまう経営者もいるかもしれないが、ほとんどの人はそこまで才能に恵まれていないので、自分を過信し自分の勘に頼ってしまい大体が大変なことになってしまうのである。


そこでわれわれ凡人にとって、どうしても必要となるのが売上をあげるためのマーケティング理論であり、原価を管理するための経営分析や経営管理の理論である。


さらに欲を言えば、人を動かすためのリーダーシップ論や組織論、会社全体の戦略論も必要となってくる。


ただ、読み物として頭では理解できるものの、現実世界でその理論を実践することは果てしなく難しい。


簡単そうなSWOT分析でさえやる気が起きない上に、やったとしても得られる結果が期待できそうにないと思ってしまうのである。


実際にコトラーやドラッカーを知っている経営者よりも、フランク・ミュラーやルブタンのことをよく知っている経営者の方がよっぽどお金を稼いでいる現実をみると、勉強する気も起きなくなるのは当たり前である。


それでも尚、理論と実践の大切さをわかりやすく解説してくれているのが、星野佳路氏の「星野リゾートの教科書」なのである。

この本の中で、星野氏は「教科書に書かれていることは正しく、実践で使えると確信している。」と断言している。


また、「理論をつまみ食いしないで、100%教科書通りにやってみる」ことを薦めている。


そして経営学の理論は、決して大企業だけのためのものではなく、むしろ中小企業の方が理論を社内に浸透させやすく、経営判断の失敗のリスクを必ず低減できると説いている。 


この本は、中小企業の経営者として軽井沢のホテルを全世界に展開する星野リゾートにまで成長させた星野佳路氏による現代版「学問のすゝめ」である。


行き当たりばったりの経営から脱却して、もう少しだけ頑張って一段自分のレベルをあげて経営ができれば、これから起こるかもしれない大不況も乗り越えていけるかもしれない。


「読書は学問の術なり、学問は事をなすの術なり」      福沢諭吉 


(祝 学問のすゝめ初編刊行150周年)


   皆様の会社が儲かりますように!

    亀戸天神社 (東京都江東区)


      おにがわら すねお