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米国債券相場と実体経済

アメリカのノートとボンドの金利が5%手前まで上がってきた。


本当に景気が良くて、金利が上がっているのであれば問題ないが、長期債の金利が上がっている(売られている)理由はもっと他にありそうである。


以前にも書いたが、債券や株式などの金融商品は需給で決まる部分も多く、しかも相場に大きな影響を与える大小様々なヘッジファンドのポジションは公表されないので、相場は常に巨大な資金を持ったプレーヤーたちの有利な賭場というイメージしかない。


最近の米国における債券の金利上昇は、発行額増大による需給の緩みとファンドによる現物買いと先物売りのポジション(将来債券価格が上がると見ての先物売りなので注意)取りが増えていることによるものとの見方をする人がいたが、おそらく最も合理的で相場のほんの僅かな部分しか見れないわれわれができる精一杯の推論だと思う。


そして、この不景気下で、債券の金利が上昇してくると、実体経済に与える影響は想像以上に大きくなるものと考えておいた方がいいと思う。


法人向けおよび個人向けのローン金利の見直しをすることになり、特に多くの個人のクレジットカードの与信枠が上限に近づいおり、返済不能額が急増してくると見られている。


また、金融機関の規模も様々であるが、規模が小さくなるほど調達コストが上がってくるので、運用益の縮小を余儀なくされるか、年初来の相場の崩れで大きな含み損を抱えることになる。


このような中、金融機関が法人に対しての貸出し基準を上げてくることは明らかであり、融資を受けることのできない企業が増えてくることは間違いない。


楽天が12%で債券を発行したように、現在ジャンクボンドの発行が急増している背景には、既にこういう状況が静かに進んでいるのかも知れない。


焦点は、FRBがいつ金利を下げることができるか?にかかってくるが、原油価格が150ドル/バレルといった話が出ているようでは、当面期待は出来そうにない。


日本も他人事ではないことだけは確かである。


   皆様の会社が儲かりますように!

    神田明神 (東京都千代田区)


      おにがわら すねお