経営の風を読む 『風は西から♪』

中小企業経営は理論と実践!あとは少しの運を味方につけるだけ!

一括返済がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!

再来年の2025年に、長期借入金の一括返済が2件やって来る。


先月会社が幹部に対して、会社の財務内容を開示してきた。 直近の決算書によると、短期借入金が1億円、長期借入金が6億円となっており、総資産は23億円で、総売上は40億円である。


その6億円の長期借入金のうち、2億円の資本性ローン(A銀行)と1億5000万円の長期運転資金借入(B銀行)があり、それぞれ2025年1月と2025年10月に一括返済を迎えるということである。


資本性ローンは8年前、運転資金借入は1年前に借り入れをしているのであるが、驚くべきことに、これまで1円も積立定期をしておらず、返済に向けての準備をまったくしていない。


2023年12月期決算の予想は、当期純利益の赤字が見込まれており、来期は多少回復すると予想しているものの、世界の経済状況など外部環境次第では赤字幅が大きくなることも十分予想しておかないといけない状況である。


手元の現預金は3億円しかなく、今年と来年は赤字見込みなので、返済時に今の水準を保てる訳もなく、1月に最初の2億円を返済したらすぐに借り入れを起こさないと会社が回らなくなる。


つまり、手元資金で返済するにしても、借り換えで返済するにしても、赤字で現金も減って来るし、赤字の決算書では借入れも簡単にはいかない状況の中で、どうしても借入を実行しないといけないのである。


現在、売上に対して借入額は小さく負債比率も小さいので、数字の上では借り換え余力はありそうではあるが、基本的には典型的な資金繰り返済になっているので、それに銀行がすんなり応じるのか実際のところ予想がつかない。


1.ノーガード戦法


まず借入れであるが、2億円は8年前に1億5000万円は2年前に運手資金として調達している。 しかしながら、現在積立定期の残高は0円である。 普通の定期預金も1000万円しかない。 この8年もの間、返済のための準備を一切してこなかったのである。 


普通、短期の手形貸し付けや消費税の支払いでも毎月積み立て定期を行い、支払い準備をするのが資金繰りの常識だと思っていたが、一括返済の資金を準備していないという会社は初めて見た。


もし仮に銀行から思うような金額が調達できなかったら、一気に会社は傾いてきて、自転車操業状態に突入してしまう。


そうさせないために、常に会社の売上の見込みを読み、早めに資金調達も進めておくのである。 そのために、利益の出ている試算表が必要なので、融資申し込みのタイミングも綿密に計算しておく必要があるのである。 


返済の時になって、積立定期預金の残高がまったくない会社を銀行が見た時にどう思うのか?


もし、自分が銀行の担当者であったならば、要警戒の手前くらいにランク付けすると思う。


2.長期運転資金の返済原資


短期の運転資金の返済原資は、主に数か月後に回収する売掛金になるが、長期の運転資金は個別の設備投資の資金ではないので、税引き後利益が返済原資になってしまう。 


長期で借りると、最初は、手元資金が潤沢に見えるのでついつい安心してしまうが、時間が経つにつれて利益が出ていないと手元の資金は急激に減少し、返済のための借入れを再度起こす必要が出てくる。


今期は赤字で、来期も良くてトントンという見通しの中で、今から積立定期を始めたら、あっという間に現預金残高は無くなってしまう。


現状では自らお金を用意できないことは確定したようなものなので、今期と来期に少しでも利益が出る(=赤字が少なくなる)状況を確保して、最低限運転資金が借りることのできる状況を作っておく必要がある。


それには、売上を増やし、無駄な経費を抑えていくことしかないが、役員から末端の社員に至るまでまったくその気はないようである。


明日から、視察だけの目的でアメリカに出張するネジの緩い社員が3人もいる。


♪Although your mind's opaque


君の頭の中はまとまっていないけど


♪Try thinking more if just for your own sake


自分のためになるんだから、もっと頭を使って考えよう


♪The future still looks good


未来はまだ明るそうだ


♪And you've got time to rectify


君がやるべきことを


♪All the things that you should


修正する時間はたくさんある

 

  Think For Yourself,  The Beatles 


   皆様の会社が儲かりますように!

     上賀茂神社 (京都市)

     おにがわら すねお