経営の風を読む 『風は西から♪』

中小企業経営は理論と実践!あとは少しの運を味方につけるだけ!

どう見てもスタグフレーション!

数年前まで、日本は景気低迷で物が売れず、賃金も下がったままで、デフレ状態が続いていたが、この1〜2年で、景気が低迷しているにもかかわらず、物価高が発生し完全にスタグフレーションの状態に移行している。


報道番組で、国内の地価が上昇しているとか高級マンションが売れているというニュースがある一方、ゼロゼロ融資の返済ができず倒産件数が急増しているというニュースも頻繁に目にするようになった。


一方、われわれの給与はどうなっているかというと、大企業はベアもあり賞与もしっかり出ているところも多いが、中小企業は物価高によるコスト増のせいで、賃金が上がるどころか下がっているところも多いのではないか?


賃金が上昇しない中での物価高では、国内消費が伸びる訳がない。 円安によって原材料やエネルギー価格の高騰が起きているが、金利を上げて円高修正しようとしても、景気を悪化させるリスクが高いので、現状の金利政策を維持するしかない。


円安の原因としてアメリカの政策金利の高め誘導による金利差があるが、もっと根本的な要因として日本経済の弱体化があげられる。


昔であれば、円安になれば輸出が増えて、輸出企業の業績が良くなり、日本全体の景気が回復するという循環があったが、今は構造上まったくそれも期待できなくなっている。


企業が不景気の中、原材料のコストが上昇し、物が売れなくなると、次は人件費を削減するしかなくなる。 


そうなると、さらに消費にお金が回らなくなり、景気低迷のループから抜け出せなくなる。


アメリカでUAWのストライキが行われているが、アメリカの消費は底堅いと言いながらも、実際には賃金の上昇がまったく追いついておらず、景気の腰折れはもう目の前まできているのではないか?


ヨーロッパと中国の経済がほぼ末期的な状況の中で、アメリカが倒れたら本当のリセッションが始まるかも知れない。


そうさせないために、アメリカで長期債を発行しお金をばら撒くしかないのだろう。


小さな事実をつないでいけば、大きな事実が見えることもある。


   皆様の会社が儲かりますように!

     六孫王神社 (京都市)


     おにがわら すねお